ミスタードラゴンズともてはやされていた立浪和義監督ですが、中日ドラゴンズのファンにとって、立浪監督の指揮のもとでのシーズンは多くの波乱と驚きをもたらしました。
この記事では、立浪監督の指導方法やチームの補強戦略を検証し、ファンの期待と現実のギャップを明らかにするため「立浪監督来期続投、マネジメント能力欠如でドラゴンズファン絶望的?」と題してお届けします。
では早速どうぞ♪
この記事でわかること
- 中日立浪監督の2年間の成果
- 数字で見る立浪監督のマネジメント能力
- 筆者の考える中日ドラゴンズの問題点
ファン待望のミスタードラゴンズ立浪監督
立浪監督は、長年のプレイヤーとしての実績から「ミスタードラゴンズ」としてファンからの絶大な支持を受けています。そのため、監督就任時には多くの期待が寄せられました。
立浪監督が2021年オフに新監督としてインタビューを受けたときのコメントです。
「今年は投手陣がすごく良かったと評価されていますが、自分は野球は投手が8割を占めると思っています。もう1度、投手陣をしっかり整備して、センターラインを固めた野球をできるように。守り勝つだけではいけないが、そういう野球がもう1回できるように。後は打つ方は1年間打てないと言われましたが、必ず何とかします。試合に対する勝ちへの執念を選手に植え付けたいと考えています」。
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立浪監督は、就任当初は投手陣の強化とともに、打線の強化にも意欲的に取り組む姿勢を示しており、特に「打つ方は1年間打てないと言われましたが、必ず何とかします」との発言から、打線の改善に対する強い決意を感じることができました。
立浪監督ヒゲ禁止から一転
立浪監督の初期の方針として、選手のヒゲを禁止するというものがありました。しかし、これは後に撤回されるなど、一貫性のない指導が目立ちました。
立浪監督の一貫性のなさ
中日の選手たちがヒゲや茶髪を持つことが許可されることになりました。
立浪和義監督は「節度ある範囲で、日本人もスポーツマンらしさを失わなければ、少々はいいとしようかな」と述べ、ヒゲや茶髪の禁止を撤回する方針を示しましたが、この変更の背景には、3年ぶりに中日に復帰する助っ人のソイロ・アルモンテ外野手からの直訴がありました。
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文化や習慣で前言撤回するなら、元々ヒゲを伸ばしていた選手も一緒ですよね。ポリシーを大切にするなら、ヒゲを伸ばす選手は獲得しなければ良いだけです。
立浪監督はドミニカ共和国を訪れた際にアルモンテからの要望を受け、ドミニカの文化や慣習を尊重してヒゲや茶髪を許可することを決定、同時に日本人選手に対しても同様の緩和が行われることが決まりました。立浪監督は2022年には、ヒゲや金髪禁止を宣言していましたが、2023年からはヒゲや茶髪を持つ選手が再び現れており、立浪監督の一貫性のなさが露呈されています。
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素敵なヒゲを蓄えていた祖父江選手も立浪監督のポリシーを聞いてきれいにヒゲをそっていたのに。
立浪監督試合中に京田を2軍へ、オフに横浜へ放出
試合中の突然の京田の2軍降格や、オフには横浜への放出は、ファンや選手にとって大きな衝撃となりました。
京田陽太のキャリアと挑戦
立浪監督就任一年目には、京田陽太内野手は中日で6年目のシーズンを終え、秋季練習では調整を一任された。2017年に球団新人記録を塗り替える149安打を放ち、新人王を獲得。
しかし、打率は2割5分を超えず、2021年には初めて2軍降格を経験。2軍での調整を経て、9月には月間打率.309を記録。
立浪監督の指導と京田の挑戦
2022年、立浪監督の下で京田は打撃フォームを変更、打率は1割台を推移し、スタメンから外れる試合が増加するなか、5月4日のDeNA戦では試合中に名古屋へ帰るよう指示された。
京田選手は自らの未熟さを受け入れ、自分の野球人生を見つめ直すことを決意する内容を表明していました。
トレードの告知と京田の新たな挑戦
2022年のオフシーズンに立浪監督から横浜へのトレードが告げられる。
京田選手はは立浪監督の決断を尊重し、「ありがとうございます」と一礼、名古屋での生活やナゴヤドームのファンを思い出しながら、新天地横浜での新たな挑戦を決意、その後の横浜での活躍は数字のとおりです。
戦う顔をしてないからってどういうこと?
立浪監督のさじ加減でどうとでもいえる評価指標で選手がついてくるか?指導的立場にある人は合理的に意見を述べるべきでしょう。
育成一位から支配下・近藤をマウンドでさらし者に
近藤は育成一位から支配下登録されるまでの努力を経て、チームの一員として活躍していました。しかし、立浪監督の下での使用法に疑問の声が上がっています。
立浪監督の近藤への仕打ち
立浪監督は、近藤という若手投手に10点取られるまで投げさせ続けました。
近藤投手はプロ3年目の24歳で、その試合が今季一軍初登板であり、他のベテラン投手や野手投手ならばともかく、将来を期待されている若手投手をこのように扱うのは問題があるとの指摘がある。
試合後、近藤投手は二軍への降格となったのも問題だと思います。
立浪監督に対する周りの評価
近藤投手に対する立浪監督の仕打ちには、まわりからいろいろな評価があったので、わかる範囲で整理してみました。
- 他の監督ならば、近藤のような乱調の投手にしばらく投げさせるだろうが、10点取られても交代させなかったのは問題だと指摘。
- 近藤は若手であり、将来を期待されている投手をこのように晒し者にするのは間違いだったとの意見がある。
- ブルペンでは、マルティネスが自ら登板する意向を示していた。
- 相手チームのトレバー・バウアーは、近藤に対してエールを送っていた。
- この一件により、立浪監督の指導方法に疑問の声が上がっている。
- 捕手を含め、内野手やベンチから投手に対してほとんど声がけがなかった点がおかしい
- イニングを終えた後、さっさとベンチ裏に消えた立浪監督、せめてベンチ前で出迎えるべき
- 試合後に2軍に落としてしまっては今後のトラウマになる、セカンドチャンスを速い段階画であたえるべき
まったくそのとおり、選手を守らない監督に誰がついていきますか?
立浪監督「打つ方は何とかする」結果は?
立浪監督は「打つ方は何とかする」と公言していましたが、結果としては打線の不振が続き、その言葉を実現することはできませんでした。
2021年の中日打撃成績
以下は、2021年度のセントラル・リーグのチーム打撃成績から、中日ドラゴンズが最下位となっている項目と、そのときの一位の数字を示しています:
- 打率
中日: .237(最下位)
一位: 広島 – .264 - 得点
中日: 405(最下位)
一位: ヤクルト – 625 - 長打率
中日: .331(最下位)
一位: 巨人 – .399 - 出塁率
中日: .291(最下位)
一位: 広島 – .324
2023年9月現在の中日打撃成績
- 打率
中日: .237(最下位)
一位: 巨人 – .255 - 得点
中日: 348(最下位)
一位: 阪神 – 518 - 長打率
中日: .328(最下位)
一位: 巨人 – .408 - 出塁率
中日: .286(最下位)
一位: 阪神 – .325
立浪監督は打つ方は改善できてる?
数字を見るかぎりでは、打率、得点、長打率、出塁率すべて2年前と同じくリーグ最下位となっており、まったく改善できていないことがわかりますね。
安西監督がいたら「まるで成長してない」って言われそう
防御率トップ10入りの10敗カルテット
立浪監督が打つ方を何とかできない間に、投手陣の成績が異常値を残しており、どういうことかというと、防御率ランキングのトップ10に入っている3人が全員10敗をきっしているというわけのわからない状態になっています。
- 小笠原 慎之介
敗北: 11
防御率: 3.28 - 髙橋 宏斗
敗北: 10
防御率: 2.40 - 柳 裕也
敗北: 10
防御率: 2.59 - 涌井 秀章
敗北: 12
防御率: 4.03
防御率4点台前半の涌井もいれると、10敗カルテット投手陣が形成されています。
さらに、柳裕也にいたっては援護がなさ過ぎてかどうかは不明ですが、自分自身の打撃成績が打率.257という数字を残しています。
立浪監督だけが悪いのか?中日の補強を検証
オフシーズンの補強戦略に立浪監督がどれほどかかわっているかはわかりませんが、2022年のオフから2023年にかけて行われた中日の補強について考察します。
2022年の補強ポイント
主な補強課題は、以下のようなものが考えられます。
- 先発投手を最低2枚: 先発のコマ不足が深刻。ドラフトと新外国人でそれぞれ1枚の補強が必要。
- ブルペンの選択肢を増やす: 2軍からの供給不足が問題。ドラフトで投手を集める必要がある。
- 長距離砲: チームの得点力や本塁打数が低く、新たな外国人スラッガーが必要。
- 二遊間の強化: 守備範囲の広い選手の起用が必要。ドラフトでの補強が考えられる。
- 捕手の深さ強化: 捕手の枠が少なくなっているため、ドラフトでの補強が必要。
補強の評価
- 先発ローテ: 仲地礼亜をドラフトで指名し、涌井秀章を楽天から獲得。
- ブルペン陣: 砂田毅樹をDeNAから獲得。
- 内野陣: 村松開人、田中幹也、福永裕基をドラフトで指名。カリステを補強。
- 外国人スラッガー: アキーノを獲得し、アルモンテが3年ぶりに復帰。
結論としては補強戦略は全く機能していないことがわかりますね。立浪監督だけではなくフロントの手腕に問題があることも容易に理解できます。
チーム年俸で補強金額を比較
チーム別年俸総額推移
2023年の中日の補強金額は29億6220万円で、前年比118%となっています。他のチームとの比較を行うと、中日の補強金額はリーグ平均を下回っていることがわかります。ですが、2023年を迎えるにあたり、4億円以上立浪監督のために上乗せして戦力補強を行ってきたことも同時にわかります。
チーム名 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
---|---|---|---|---|
ヤクルト | 40億7850万円 | 33億8730万円 | 27億9800万円 | 26億7190万円 |
DeNA | 33億3910万円 | 31億4140万円 | 27億4480万円 | 30億8130万円 |
阪神 | 31億5115万円 | 32億320万円 | 29億8910万円 | 32億620万円 |
巨人 | 40億1580万円 | 45億5090万円 | 48億2210万円 | 43億3070万円 |
広島 | 28億3450万円 | 25億2120万円 | 27億5230万円 | 31億660万円 |
中日 | 29億6220万円 | 25億1391万円 | 25億5619万円 | 24億7670万円 |
オリックス | 27億4350万円 | 25億3515万円 | 26億680万円 | 28億5850万円 |
ソフトバンク | 62億3130万円 | 62億1120万円 | 64億2460万円 | 65億2680万円 |
西武 | 32億6550万円 | 28億1850万円 | 29億5345万円 | 30億2700万円 |
楽天 | 37億2920万円 | 43億4130万円 | 32億6260万円 | 34億8160万円 |
ロッテ | 26億5690万円 | 27億9120万円 | 24億6590万円 | 24億7590万円 |
日本ハム | 22億9220万円 | 25億2560万円 | 26億8020万円 | 28億8890万円 |
ポジション別年俸金額比較
投手、捕手、内野手、外野手で内訳を整理してみると、中日は投手にはきちんと補強できていることがわかります。さらに、内野手ではホームラン5本と低迷しているビシエド一人で3億5000万円なので、この部分をうまく振り分けられれば、予算としては悪くない数字と言えます。
チーム名 | ポジション | 人数 | 年俸総額 |
---|---|---|---|
ヤクルト | 投手 | 35人 | 15億9030万円 |
捕手 | 5人 | 2億3100万円 | |
内野手 | 18人 | 14億7570万円 | |
外野手 | 8人 | 7億8150万円 | |
DeNA | 投手 | 32人 | 15億6000万円 |
捕手 | 6人 | 1億9230万円 | |
内野手 | 17人 | 12億5890万円 | |
外野手 | 7人 | 3億2790万円 | |
阪神 | 投手 | 33人 | 17億9975万円 |
捕手 | 7人 | 2億2010万円 | |
内野手 | 16人 | 6億50万円 | |
外野手 | 12人 | 5億3080万円 | |
巨人 | 投手 | 24人 | 15億1380万円 |
捕手 | 5人 | 2億900万円 | |
内野手 | 17人 | 14億6950万円 | |
外野手 | 11人 | 8億2350万円 | |
広島 | 投手 | 34人 | 13億円 |
捕手 | 8人 | 2億8950万円 | |
内野手 | 15人 | 7億9500万円 | |
外野手 | 10人 | 4億5000万円 | |
中日 | 投手 | 31人 | 16億1305万円 |
捕手 | 7人 | 1億4025万円 | |
内野手 | 15人 | 6億1460万円 | |
外野手 | 12人 | 5億9430万円 |
立浪監督のマネジメント能力まとめ
今回は「立浪監督来期続投、マネジメント能力欠如でドラゴンズファン絶望的?」と題してお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
結論としては、客観的数字をもとに考えると、立浪監督のマネジメント能力は怪しいと言わざるをえません。
一貫性のない指導と指揮、まずまずの金額を投資してもらっているにもかかわらず、チーム成績はまったくに向上していないだけでなく、「打つ方は何とかする」と言っていた打線のほうも成績自体は下がっていることがわかります。
これにより、元々優秀だった先発投手陣は、防御率に比較して負け数が増えすぎており、投打のバランスの悪さが露呈しています。
大野雄大投手が加われば先発投手陣の厚みはさらに増しますが、打線が今のままでは先発投手陣のモチベーションが崩壊して防御率さえも悪化することが予想できます。
2024年は3年目を迎える立浪監督は背水の陣でのぞむとすれば、補強についてもフロントと密にやり取りを行い、2軍の片岡監督とも連携して自身のマネジメント能力を存分に発揮して成績向上できるかどうかだと思われます。
これまでのマネジメントが「できない」のではなく「やってない」とすればですが、、、来年もドラゴンズファンは苦しい一年になるかもしれません。
最後までご覧いただき、ありがとうございました♪